脱アルコール酒の楽しみ


私は、お酒が全く飲めません。

 そういう私に酒を無理強いするような人とは付き合わなければよいのですが、レストランなどに行ったときが困ります。

ウエイター:「お飲み物はいかがいたしましょう?」
私:    「ノンアルコールのものはありますか?」
ウエイター:「コーラ、オレンジジュース、ウーロン茶、...」

これから立派な料理を食べようというのに,ワインが飲めないからといってなぜコーラやオレンジジュースやウーロン茶を飲まなければいけないのでしょうか?

ところが、技術の進歩というのはありがたいもので、低温ろ過によってお酒からアルコールを抜いた飲み物が存在します。これらは、「シャンメリー」等のお酒に似せたソフトドリンクとは違い、1度醗酵過程を経て実際にお酒を作った後,本来のお酒の味をできる限り保ちながらアルコールを抜いています。ここではそれを「脱アルコール酒」と呼ぶことにし、ご紹介したいと思います。

なお,私はアルコールの入った酒と味比べをすることができないので、そのあたりはワイン好きの妻(彼女は普通のワインが飲めます)の力を借りることにします。

レストランなどの方にお願いしたいのですが、このような「脱アルコール酒」をお店においてもらえないでしょうか?お酒が飲めなくても、ワインを飲みながら、食事を楽しみたいと思うのです。私の夢は、どこでも持ち歩けて、どんなお酒でもその機械に入れるだけで脱アルコール化できるような「携帯式低温ろ過装置」です。とくに実現に向けて何かしているわけではないのですが...



★ワイン★

ARIEL
このページを作るきっかけになったワインです。ARIELはアメリカ・カリフォルニアのワインで、「普通のワインと一緒の品評会に出して優勝した唯一の脱アルコールワイン」だそうです。

製造元のAriel Vineyardsのページには、各種製品の案内の他、脱アルコールワインの製造法も紹介されています。それによると、

  1. 通常の方法で作った(アルコール入りの)ワインを、高圧をかけて高分子膜でろ過して水とアルコールを一緒に抜きます。
  2. これに水を加えて低アルコールのワインを作ります。
  3. 1,2を、アルコール濃度が0.5%以下になるまで繰り返します。

ところで、ARIELの脱アルコールワインは3種類とも原料が「ワイン、ぶどう果汁」となっています。やはり脱アルコール化の時に風味が損なわれるのでぶどう果汁を加えているのでしょうか?

ARIEL BLANC
甘口の白ワインで、ワイン好きの妻も気に入っているようです。

 

ARIEL CAVERNE SOVIGNION
ARIELの赤です。妻によれば「ライトボディ」で、ARIELのワインの中では一番ワインらしい味がしているとのことです。

 

ARIEL WHITE ZINFANDEL
ARIELのロゼです。妻によれば、こちらはジュースみたいだとか。

Ariel VineyardsのWWWページにある製品リストには、他にもいろいろな脱アルコールワインが出ています。日本では、上の3種の他にスパークリングワインが手に入るようです。日本へは「東海貿易」(東京都港区西新橋3-4-2,電話03-3434-1617,FAX03-3434-4014)が輸入しています。



★ビール★

 

CLAUSTAHLER
ドイツ、フランクフルト・アム・マインのBinding-Brauerei製のビールです。おそらく一番手に入りやすい脱アルコールビールで、東京・恵比寿ガーデンプレイスのビアホールや、福岡・岩田屋Z-SIDEの地下食料品売り場にもありました。苦味も強く、ビールらしい味がします。


 

TEXAS SELECT
アメリカのSan Antonio Beverage製のビールです。ノンアルコールであることよりも、低カロリー(65kcal/100ml)であることを売り物にしているのがアメリカ製らしいところです。すっきりした味で、脱アルコールビールはぬるくなると苦味が強くなって飲みにくいものも多いですが、これはそんなこともありません。私はこういう味のほうが好きですが、なにぶん「薄い」味なので、ビール好きのかたには物足りないかも知れません。なお、輸入元はブラザーインターナショナル(株)(名古屋市瑞穂区苗代町15-1 電話052-824-3388)、販売元は株式会社シーエフシージャパン(大阪市城東区中浜3-26-23 電話06-969-0351)と缶に記載されています。

バービカン プレミアム
京都・伏見の宝酒造製のビールで、英Bass社の100%モルトビールを脱アルコール化したものです。バービカンはかなり前に発売され、あまり思うように売れていないと聞きますが、なんとか継続して販売されています。苦味は弱く、まろやかな味です。

余談ですが、私が大学生の時、クラブのOB会に出たときに、OBに宝酒造の方がいて、発売前のレモンバービカンを飲ませてもらったことがあります。

SWAN LIGHT LAGER
オーストラリアの脱アルコールビールです。キレのある味で、後味も良く、今まで飲んだ脱アルコールビールの中では一番好きな味です。輸入元は伊藤忠商事(東京都港区北青山2-5-1)です。

 

OLD MILWAUKEE

アメリカ・デトロイトのStroh Brewery社の脱アルコールビールです.脱アルコールというよりも,低醗酵酒のようで,ちょっと麦くさい味がします.輸入元は重松貿易(大阪市中央区,06-231-8021)です.

 

STENDER
オランダの脱アルコールビールです。オランダでホームステイしたときに飲ませてもらったもので、私が初めて接した脱アルコールビールです。日本で売っているのを見たことがないのですが、どこかにないでしょうか。


★日本酒★

以前「日本で唯一、脱アルコール日本酒を作っている酒造業者が熊本にある、と聞いたことがあるのですが、本当でしょうか?どなたか情報をおもちの方、お教えいただけないでしょうか。」とここに書いていましたが、それについて情報をお寄せくださった方がありましたのでここに掲載します。ありがとうございました。

先週、九州へ行って探してきました。
結論から言うと、アルコールが全く入っていない、または皆無に近い
「日本酒」はいまのところ無いんだそうです。
で、あったのは「低アルコール日本酒」と言われるもので、
アルコール分が6〜9%のものでした。
以下に見つけたものをご報告しようと思ってメールを送りました。
 
1.熊本県 シンソウ酒造 「はなしらべ」 アルコール分7〜8%
2.大分県 クンチョウ酒造 「FROL」(フロール) アルコール分8〜9%
3.新潟県 「長岡ライトフィーリング」 アルコール分6〜7%
 
1と2は全国展開はしていなくて、それぞれの県内と1番は東京の
熊本県物産店で手に入るそうです。3番は普通の酒屋さんで手に入るそうです。
私は、大分へ行ったので2番にしました。味は...まだ飲んでいません。
 
なんでも、日本酒の「味覚」を表現するものがアルコールであり、
ビールやワインのように代替えするものがないので、
技術的に、ノンアルコールは存在しないそうです。(香りは付けられるそうですが。)
「アルコールを抜くと水だけだから、水でも飲んだほうがいいよ。」と
酒造組合の人に言われてしまいました。
でも、成人病などの関係で、低アルコール日本酒は、開発課題だそうです。
 
早く、おいしい「ノンアルコール日本酒」ができるといいですね。


その他、脱アルコール酒についての情報をおもちの方、ぜひお教えください。rakko@mb.infoweb.ne.jpまで、メールをお待ちしております。


★脱アルコール酒を見つけるには★

 脱アルコール酒は,酒屋にはあまり置いてありません.一番可能性が高いのは,「高級スーパー」です.普通のスーパーよりも内装に凝っていて(照明はたいがい暖色系),輸入食品を多く揃えている,いわゆる「ハイソな奥様」たちが買い物に来そうな店です.下の「ボンラパス」や「アバンセ」はそういう店です.なお,スーパーに置いてある場合は,お酒のコーナーではなく清涼飲料水のコーナーにあることが多いようです.

今まで脱アルコール酒を見つけた店(私は1998.3まで福岡市在住,その後1998.9まで広島市在住,現在は岡山市在住で東広島市で勤務しています):


★「ノンアルコール」?★

 日本語ではノンアルコールビール,ノンアルコールワインという言い方が普通ですが,どうも英語ではnon-alcoholではなくnon-alcoholicというようです.このページでは,ワイン用ブドウを使ったグレープジュースの中に「ノンアルコールワイン」と称している商品もあることから,それと区別するために「脱アルコール酒」という言い方をしています.


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