地域差

仕事で,時々札幌に行くことがあります.せっかく札幌まで来たのだからと夜は美味しいものを食べに行くこともあるのですが,そこで気づくのは,ノンアルコールビールが飲食店のメニューにめったにないことです.

また,私は以前フィンランドに留学していたことがあり(こちらのサイト参照),先日久々にフィンランドとスウェーデンを再訪したのですが,こちらではノンアルコールビールはほとんど見かけず,あってもドイツからの輸入品です.ドイツのビールメーカーはノンアルコールビールを作っているところが多いですが,フィンランドのメーカーはノンアルコールビールを作っていません1)

寒いところでは,ノンアルコールビールなどの脱アルコール酒は売れないのでしょうか?「寒いから,アルコール入りのビールを飲んでもすぐ醒めてしまうので,車の運転に支障がないのでは?」などということも考えましたが,北海道や北欧が年中寒いわけでもないし,この地域差は不思議です.

ところで,地域差といえば,「九州の人は酒が強い」とか「高知の人はよく酒を飲む」とか「東北の人は酒が強い」という話はよく聞きますが,「関西人は酒が強い」という話は聞いたことがありません.そういえば,ノンアルコールビールが飲食店のメニューに入り始めた頃,今私が住んでいる広島よりも,関西のほうが普及が早いという感じたことがあります.

そう思って調べてみると,日本人の酒の強さには確かに地域差がある,という筑波大学・原田勝二氏の研究があり,上にあげた,各地域の人の印象は,概ね正しいそうです.

もっとも,上の「地域とお酒の強さ」によると,大阪と広島では「酒に強い遺伝子」を持つ人の割合はあまり変わらないようです.私は大阪出身で福岡にも住んでいましたが,たくさん酒を飲むことから連想される,「豪快」とか「勇猛」といった気質にはあまり価値を見出さない文化が,確かに関西にはあるような気はします.

[追記]サッポロビールの工場跡を利用した「サッポロファクトリー」のレストラン「ビヤケラー札幌開拓使」には,さすがにサッポロの「スーパークリア」が出ていました.

(03. 9. 21)

[2006. 1. 29追記] 1) 現在は,フィンランドのSinebrykoff社が,"Nikolai 0.0%"というノンアルコールビールを出しています.こちらのページで紹介しています.