チューハイ風飲料

2002年6月の道路交通法改正による飲酒運転の厳罰化により,「チューハイ風飲料」という新しいジャンルの飲料が出てきました.これは,味やパッケージの雰囲気をチューハイのように作ったソフトドリンクです.実際には中身は通常の炭酸飲料と変わりないわけですが,「アルコール分0.1%未満」と表示したり,コーラなどと並べて売らないなど,いろいろ気を使っているようです.

[2005. 6] せっかく「チューハイ風飲料」という新しいカテゴリーを作ったのですが,下記の商品は,ほとんどが終売となってしまいました.やはりこういう「キワモノ」は,飽きられるのも早いのでしょうか?


「チューハイ風飲料」というジャンルができるきっかけとなったのは,2003年2月にポッカコーポレーションが発売した「運転CHU」です.中身は「キリンレモン」のようなレモン味の普通の炭酸飲料ですが,缶のデザインはチューハイ風で,店でもチューハイと並んで売られていました.

私は,もっとレモンの苦味を強調した味のほうが,よりチューハイ風でよいのではないかと思いました.だいぶ以前,カルピスから「B&L」という苦いレモン味の炭酸飲料が出ていましたが,私はあれが好きでした.

この商品は好調に売れ,2003年4月には,さらにビン入りのものとグレープフルーツ味のものが発売されました.

「運転CHU」発売のニュースリリースです.

しかし,2005年6月現在,「運転CHU」はポッカコーポレーションのサイトの商品リストから消え,発売当初はあった"www.unten-chu.com"というサイトもなくなりました.2004年12月には確かにあったのですが,その後終売となったようで,残念です.

自動車のサイトResponseの,【飲酒運転厳罰化の陰で】ノンアルコール飲料ターゲットは「精神力の弱い人」!? という記事で,「運転CHU」が紹介されています.

「運転CHU」にはお酒の成分は何も入っていないはずですが,現在販売されている缶には,この写真のように「アルコール分0.1%」と書いてあります.「「ノンアルコール」という表現について」のページにあるような批判に対応しているのでしょうか?

Googleで「運転CHU」を検索

[2003. 4]

→[缶の横(1)]
→[缶の横(2)]

2003年夏に,広島県東広島市宝積飲料が,「クリスタルブリュー」という炭酸飲料を発売しました

いまはなくなっていますが,以前は上記サイトに商品説明がありました.それによると,「クリスタルブリュー」はCoorsの"ZIMA"のような透明の麦芽アルコール飲料を意識してつくられたものですが,醸造して脱アルコール化したものではなく,糖類などの各種原料をブレンドし,わずかに醸造用アルコールを添加したものです.つまり,「ソフトドリンクにアルコールを加えたノンアルコール酒(アルコール度数0.5%未満)」というちょっと変わった飲み物です.

家の近所の飲食店のメニューに出ていたので,私も飲んでみましたが,あまり苦味は感じず,甘味の少ない炭酸飲料といった感じでした.残念ながら,現在はこの商品はなくなっているようです.

Googleで「クリスタルブリュー」を検索


2004年5月には,日本コカ・コーラが,チューハイテイスト飲料「爽果発泡」を発売しました(ニュースリリース[PDF]).

右の写真の通り,梅味とレモン味が出ています.私はレモン味はまあまあおいしいと思います.

この「爽果発泡」も,上の「運転CHU」と同様,お酒の成分は入っていないと思われるにもかかわらず「アルコール分0.1%未満」と書いてあります.

[2005. 6] 上記の日本コカコーラのサイトの「商品一覧」から「爽果発泡」は消えており,残念ながら,なくなったものと思われます.

Googleで「爽果発泡」を検索

[2004. 7]

→[缶の裏]
 
[2004. 7]

→[缶の裏]

ドウシシャ(ノンアルコールビール"Brewry"の販売元)が「ローアルコール・ハイ」という製品を出しています.これも「チューハイ風飲料」の一種ですが,実際に焼酎を含んでいるため,アルコール度数は0.4%となっています.私も飲んでみましたが,わずかに焼酎の味とアルコールを感じました.

私が飲んだのは,右の写真にあるグレープフルーツ味とレモン味のものですが,ドウシシャのサイトの「商品情報」にある"HOT ITEM"には,ワイン風味の「カベルネ」と「シャルドネ」が出ています.

Googleで「ローアルコール・ハイ」を検索

[2005. 6]

→[缶の裏]
 
[2005. 6]

→[缶の裏]

[2006. 1] このほか,「(株)オールジャパンマウント事業部」が「ハイ夢チュー」という製品を出していたそうです.たくさんの缶飲料を紹介しているサイト「缶缶辞典」の,このページで紹介されています.それによると,アルコール度数は0.4%となっています.残念ながら,この商品もいまはないようです.

Googleで「ハイ夢チュー」を検索