ノンアルコールビールの話題

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国内大手ビールメーカーのノンアルコールビール,続々リニューアル

2002年6月の飲酒運転の厳罰化によってノンアルコールビールが注目された結果,2002年から2003年にかけて,国内大手ビールメーカー4社がノンアルコールビールの製造・販売に参入しました.

キリンビールはそれ以前からオランダのHeineken製の"Buckler"を販売していましたが,その後,

といったようすでした.

これで,国内大手ビールメーカーがすべて自社製のノンアルコールビールを販売することになったわけですが,2004年から2005年にかけて,これらの製品が続々とリニューアル製品を発表しています.これらのリニューアルについては,当サイトの各商品のページをごらんください(上記のリスト中でリンクされています).

2002年に始まったノンアルコールビールのブームは既に過ぎ去った感がありますが,このように各社の製品がリニューアルされて販売され続けているということは,ノンアルコールビールが世の中に認知され根付いていることを感じさせます.

※アサヒビールが"Löwenbräu alkoholfrei"の販売を発表したころ,「ノンアルコールビール、4社そろう」という新聞記事がいくつか出ました.その中で,2002年12月14日 毎日新聞(Women interactive カモミール)の記事では,この時点で,「現在は『輸入派』のアサヒ、キリン両社も市場動向を見つつ、自社生産に踏み切るかどうかを検討している。」と報じていました.

(大阪で酒販店の店長をされていた読者の「ピノン」さんには,いろいろな製品の発売情報を教えていただきました.ありがとうございました.)

[2005. 2,改題・改訂]

Bucklerの出荷停止と再開

2004年,Bucklerに酵母の熱処理が不備な製品があり,このためビン内で醗酵が進んで混濁を生じたり,アルコール度数が若干高くなっているおそれがあるため,一時製品が回収されるという事件がありました.その後,2004年7月から出荷が再開され,現在は通常通り販売されています.

この件については,販売業者の麒麟麦酒のサイトに,「ビールテイスト飲料『バクラー』お詫びと出荷再開のお知らせ」(2004年7月12日)として掲載されています.

ノンアルコールビールとプリン体

ビールは,痛風の原因となるプリン体を,アルコール飲料の中では多く含んでいることが知られています.そこで,「ノンアルコールビールのプリン体含有量はどうなのか?」という質問をいくつか受けています.

少し調べてみたところでは,ビールのプリン体は原料の大麦に含まれるものだそうです.したがって,発泡酒はもともと原料中の麦芽の割合の少ないのでプリン体が少なく,さらにプリン体を除去する技術を使ってプリン体が少ないことを売り物にしているものもあります.このことから,プリン体の含有量は原料によって決まり,アルコール度数とは関係がないと思われます.

ノンアルコールビールでプリン体が少ないことをうたっているものには,スーパークリアホッピ−があります.スーパークリアは,メーカーのウェブサイトで「ビールに比べ、プリン体を90%オフ。(当社比)」と述べています(左記サイトの「おいしい!ヘルシー!スーパークリア!」というリンクをクリックしてください).また,ホッピ−は,メーカーのウェブサイト「ホッピ−ファミリー」のページで「プリン体ゼロ」と述べています.

私は医師でも化学者でもないので,これ以上くわしいことはわかりませんが,よろしければご参照ください.(2003. 8. 20)

参考リンク

ノンアルコールビール・ランキング

ノンアルコールビールの銘柄が増えたことで,各銘柄を比較した「ランキング」を時々みかけるようになりました.ここでは新聞記事等でみかけたランキングを紹介します.

  • 東京都板橋区に店舗があり,ネット販売もさかんに行なっている「酒のルンビニ」の三澤様から,最近のノンアルコールビールの売れ行きの傾向を教えていただきました.「2年くらい前はGerstelがよく売れていましたが,最近は輸入物よりもファインブリューモルトスカッシュスカイモルトなどのメジャーな国産物のほうが売れています.輸入物ではClausthalerTexas SelectOld Milwaukee NAなどが売れています」ということでした.(2004. 8).
  • 大阪府豊中市の「リカーボックス服部店」でのノンアルコールビールの売り上げランキングを,店長の「ピノン」様よりお教えいただきました.1位から5位は,ファインブリューバービカンモルトスカッシュBrewry Premium Lagerスーパークリアということで,「最近外国勢は売れない」ということでした.
     また,「最近は売れ行きに『住み分け』ができている傾向があります.業務店はスーパークリアLöwenbräu alkoholfreiホッピーBucklerのビン物をまとめ買いし,一般客はバービカンBrewryファインブリューなどのメジャーな缶物をバラまたは6缶パックで買ってゆきます.せっかく”日本有数の品揃え”をしているのに,日本人の特性なのか,売れる銘柄は”みんなが飲んでるやつ”に集約されています(嘆).いろいろと飲み分けるようなグルメな人は少ないようです.」というご感想をいただきました.
    (「リカーボックス服部店」店長の「ピノン」さんは,当サイトによく情報を提供してくださるかたです.「ピノン」さんにご寄稿いただいた「ノンアルコールの販売手記」もご参照ください.)(2004. 3)

    おことわり 「リカーボックス服部店」では,「ピノン」さんが店長から異動されたため,現在は「ノンアルコールビール・コーナー」は設置されていないそうです.(2004. 5)
     
  • BE-PAL 2003年9月号175ページ「ノンアルコール・ビール 全銘柄味わいチェック!」・・・7ページにわたる特集で,多数の銘柄をとりあげた充実した内容です.イラストレーター・藤原ヒロシ氏,「酔っぱライター」江口まゆみ氏,酒文化研究所所長・狩野卓也氏により,「シンプル⇔複雑」と「ドライ⇔コク」の2つの軸で味を表現した「テイスティングマップ」で各銘柄が評価されています.
    (この特集の情報は,当サイトの掲示板で,「大風ぱぱ」様から教えていただきました.ありがとうございました.なお,BE-PALのバックナンバーは上記サイトで注文することができます.私もこれを使って購入しました.)(2003. 10)
     
  • 日経プラス1 2003年8月9日付1面「何でもランキング」・・・「飲みたいビール風味飲料」と題して,38銘柄から飲みたいものを3つ選ぶという調査をインターネットで行ったものです.上位3銘柄はモルトスカッシュファインブリュースーパークリアでした.また,日本地ビール協会ビアテイスターの田村功氏(日経こちらの記事にも出ていらっしゃいます)の味の評価では,Löwenbräu alkoholfreiBucklerが高い評価を得ていました.
     
  • 週刊SPA! 2003年7月15日号48ページ「2003上半期 激震裏スクープ大賞」・・・54ページに,「ビールよりうまい(?)ノンアルコールビールBEST10」と題して,ソムリエールの清水淑子氏の評価が出ています.上位3銘柄はClausthalerホッピ−Löwenbräu alkoholfreiでした.

なお,このサイトでも,各銘柄について私の好みでの味の評価を載せています.しかし,味の好みは人それぞれですし,また私には客観的に味を比較できるような能力はありません.ですから,私自身のランキングをこのサイトに載せる予定はありませんのでご了承ください.

ノンアルコール地ビール,続々登場

最近,国内各地の地ビールメーカーにノンアルコールビールを生産するところが増えてきました.私も以下の銘柄を飲んでこのサイトに掲載しています.

他にも,下のようなものが出ています.ネットでも購入できるものが多いのですが,ケース単位で買わなければならないものが多いので躊躇しています.何とか手に入れて掲載してゆきたいところです.

  • 「脱アルコール酒の作り方」でもとりあげている,地ビールの製造受託・事業支援などを行なっている「日本ソフトビール」が,埼玉県本庄市でノンアルコールビール「ビールの気分」を製造・販売しています.ただ,以前は上記ページから説明・注文ページにリンクされていたのですが,このリンク先のデータが消されているようです.詳しい事情はわかりません.(2005. 1更新)
    東京コミュニケーションアート専門学校「産学協同作品集2003」に,この学校の学生さんがデザインした「ビールの気分」のラベルデザインが出ています.採用決定されたもの以外にも,いろいろな作品が掲載されています.
    ※「焼肉店経営者のためのB2Bサイト」こと「焼肉繁盛ネット」「本物よりコクがあるノンアルコールビール発売」という記事(2003年5月30日)が出ており,「ビールの気分」が取り上げられています.また,「プレスリリース投稿・閲覧サイト」である"AEROPRES"にも,このページに情報が出ています.
  • 青森県下北郡大間町に,地ビール醸造を行なっているお寺「崇徳寺」があり,その製品のひとつにノンアルコールビール「ロービ」があります.通常のもののほかにフレーバー付のものもあるようです.東奥日報2002年8月27日付の記事でも報じられていますが,それによるとノンアルコールビールを通常のビールよりも先に製造していたようです.(2003. 8)
  • 北海道小樽市の地ビール「小樽ビール」に2003年6月からノンアルコールビール「小樽ビールアルコールフリー」が加わっています.サイトのラインナップにはまだ出ていませんが,プレスリリースがでています.また,小樽ビールを製造・販売している(株)アレフは,同社が経営するハンバーグレストラン「びっくりドンキー」で自社製造のノンアルコールビール「一休」を出しています.これについては,こちらの「一休」のページでごらんください.(2004. 1)
    [2003. 9] 札幌市を訪れましたが,小樽ビールを扱っている店をいくつか見てまわりましたが「小樽ビールアルコールフリー」は見つかりませんでした.
  • 三重県阿山郡阿山町の農事組合法人「伊賀の里モクモク手づくりファーム」が,ノンアルコールの地ビール「スペシャルドライブ」を販売していることが,2002年8月8日の毎日新聞MAINICHI INTERACTIVEの記事に出ていました.
    ※上記の「伊賀の里」のサイトには,「スペシャルドライブ」は出ていません.以前ここに「現在販売されているかどうかはわかりません」と書いていましたが,「ノンアルコールビール・ランキング」の項であげた雑誌「BE-PAL」2003年9月号の記事に出ていましたので,この時点では間違いなく販売されていたようです.
    ※ノンアルコール地ビール「ビベーレ」を製造販売していた二軒茶屋餅角屋本店が経営する「レストラン麦酒蔵」で,2003年1月末まで「ノンアルコールビールフェア」が行なわれていました.こちらのページに案内が出ていますが,このページには「スペシャルドライブ」の写真も出ています(2005年1月現在,ページはまだ残っています).

[2005. 2. 8] 「ビードライブ」(福岡市西区・杉能舎(浜地酒造))についての情報は,当該商品のページに移動しました.
[2003. 11. 29] 「常陸野ネストビール」についての情報は,「常陸野ネストノンアルコールビール」のページに移動しました.
[2003. 11. 3] 「プレストンエール」についての情報は,「プレストンエール・クリアエール」のページに移動しました.
[2003. 9. 24] 「新潟ビール」についての情報は,「ローアルコール・エディンバラ」「ローアルコール・麻物語」の各ページに移動しました.
※現在は,上記2銘柄のほかに「フェイクビア・ブラック」という銘柄も出ています.(2005. 1)


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